2008年映画 [Movie]
書くこともほとんどなかった。 年末のメモとして書いておく。
黒澤明のリメイクが2本あった。
『椿三十郎』と『隠し砦の三悪人』
最近日本映画が元気なので、興行的には失敗しなかったと
思われるが、
まずは、『椿三十郎』。
ミスキャストでしょう、これは。織田裕二も豊川悦司も。
というか、今の時代、ベストな配役が思いつかない。
期待を裏切らなかったのは、中盤の殺陣のシーン。
黒澤明ばりに、チャンバラにはなっていなかったのが
救い。
ラストの決闘シーンは、素直にオリジナルそのままの
ほうがよかったのでは?
オリジナルを最初に見たときの驚き、これを越すことは
難しいかもしれない。
一瞬で決まり、そして血がどばーっと噴出す演出。
これ、映画史に残る演出だと思うので、まー難しいですね。
森田芳光のチャレンジ精神に拍手のみ。
『家族ゲーム』を超えられる映画が作れるのはまだ先ですかね。
豊川悦司は『12人の優しい日本人』がおもしろい。
『隠し砦の三悪人』のほうは?????
阿部寛の配役は最初? だったが、悪くない。
長澤まさみ、えたくそ。
宮川大輔、悪くない。
松本潤、あの、サルみたいな髭、止めて欲しい。
圧倒的にオリジナル脚本のほうがおもしろい。
なんで監督さん、能力ないのにわざわざ話変えるかねー。
どうせ能力ないなら、スターウォーズのリメイクにでも
すればよかったのに。 今年の許せない映画No1 ですな。
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しかし、今後も黒澤明のリメイクに挑戦する監督が出てくることを
期待している。
洋画は、『ドラゴン・キングダム』
ジャッキー・チェンとジェット・リーの競演。
いや、最初、ジェット・リーが孫悟空を演じているのがわからず。
そして、NYのお店のおやしがジャッキー・チェンだとは気づかず。
これ、わかっているだけでもこの映画の楽しみ倍増したと
思うのに、あー、気づかない自分がなさけなく。
日本のドラマや映画と違って、孫悟空がかっこいい。
これ国民性の違いか?
そして、ジェット・リーの孫悟空、けっこうハマっています。
本人、楽しそうだし。
タイムパラドックスの説明つかないところはこの際おいといて、
2008年話題作の中で、期待通りの映画はこれ一本であった。
ゼブラーマン [Movie]
昨日夜中に(というか明け方に)TVで『ゼブラーマン』を見た。
話はいたって単純で、しかも原作がそうなのだから仕方ないが
裏側のヒーローの苦悩をまざまざと見せ付けさせられる勧善懲悪の
物語。
そういえば、最近は子供向けのTV番組が少ない。昔は
『ウルトラセブン』
『仮面ライダー』
『レインボーマン』
『人造人間キカイダー』
『ロボット刑事K』
アニメでは
『サイボーグ009』
『ガッチャマン』
『デビルマン』
『マジンガーZ』
等等、毎日のようにゴールデンタイムは子供の時間であった。
最近のゴールデンタイムといえば、バラエティ、お笑い、くだらないクイズ番組等。
いったい誰を相手に番組を編成してるのか?
TV局関係者に言いたい。
ニュース番組では教育問題をさんざん批判しているが、自身はそのためのアクションを
なんら起こさないでいる。
CMといえば、サラ金、保険、金、金、金ですか?
あなた方に問題意識があるのなら、昔の番組編成に戻してはいかがか?
TV局はTV局でやれることがあると思うのですがね。
スターウォーズエピソード3/シスの復讐 [Movie]
スターウォーズエピソード3/シスの復讐をみた。
今頃と言われそうだが、今頃である。
うーん、最初のシリーズを知ってる人にはこの映画は退屈かもしれない。
結果がわかっている映画を見るのはなんとなくつまらないが、
逆にこの映画見ると、二人の子供の名前が出てくるので、
その後の最初のシリーズを初めて見る人にも面白さがなくなってくるような気がする。
ちょっとここは失敗だったんではないの? ジョージルーカス君。
また、最初のシリーズであっけなく敗れるオビワンが、今回は見せ場十分に奮闘する。
これもねー、どうですかね。
宇宙船同士の戦闘もねー。あんな近距離で。
と、難癖つけるのが簡単な映画であった。
救いは何故ダースベイダーがあんな体になってしまったのかきちんと描かれているくらい
だろうか?
あとは、ヨーダの立ち回りがかっこいいことであろうか?
シリーズものってやはり、よほどうまく作らないと、後世の話にしないとつまらないという
典型になってしまったようである。
素朴な疑問、チューバッカって最初のシリーズでは何歳になるのか?
☆二つ半
アイランド [Movie]
アイランド
出演 ユアン・マクレガー 監督 マイケル・ベイ
ストーリーを書くとネタばれになるが、クローンの話だ。
クローンが世間で何故研究されてるかといえば、一番の理由は臓器移植だと思うが、
まー、生まれてきたからには人間だと思うのだな、私は。
どんな時代でも、倫理とか真理は変わらないと思う。
これからの医療は、クローンが先かDNA治療が先かでだいぶ違ってくるように思われる。
どちらも問題をいろいろ抱えていると思うが、真理を見失わないようにすることですね、
人間は。
映画の中でのセリフ、
”どんな世界でも一つだけ真理がある、女にカードを持たせないことだ”
これは、男、女あまり関係ないと思うけどね。
このセリフが映画の程度を表してる
機械が悪いのか、Discの作りが悪いのか、字幕途中で消えるし。
☆2つ半
ハウルの動く城 [Movie]
ハウルの動く城 を見た。
宮崎 駿 監督
いやー、この映画難しくない?
子供がわかるかなー?
宮崎 駿の作品は大人も対象としていると思われるため、説明が結構省かれるのだが、
まー、昔からそうなので、それが彼のスタイルと言われれば、まーそうなのでしょう。
人物や飛行物体の雰囲気が昔から全然変わらず、見ていてほんのりするのだが、
大人のためのアニメもそろそろお願いしたい。
そうだな、”カリオストロの城”とか”紅の豚”みたいな。
世間向けのメッセージ作品はもういいと思うんですよね。
エンターティナーとしてがんばってほしい。
今回も映画として手を抜かず作っていますね。
秒間24コマ別々にちゃんと作画されていました。
☆3つ
宇宙戦争 [Movie]
宇宙戦争を見た。
出演:トム・クルーズ、ティム・ロビンス 監督:スティーブン・スピルバーグ
うーん、つまらない!!
だらしない父親、わがままな息子、泣き叫ぶ娘。
パニック映画の常套手段だが、古臭い。
ティム・ロビンスの出てくるシーンは必要だったのか?
宇宙人が負ける理由に関して、ストーリー内での掘り下げが足らない。
ぜんぜん説明なし。
お子様でも怒っちゃうんじゃないの? この映画。
スピルバーグ最低の映画と言ってもいいでしょう。
お薦めしません。
トム・クルーズとティム・ロビンスの会話の中に、
大阪では宇宙人を倒したらしい、と出てくるが、
どうせならスピルバーグお得意の日本人をコケにした形で
メガネかけて、カメラ吊るした大阪人が、
宇宙人を倒す話にでもしたほうが、よっぽど面白そう。
☆1つ半
サハラ [Movie]
サハラ を見た。
マシュー・マコノヒー主演。
ミリオンダラー・ベイビーを見た後なので心うきうき楽しめました。
原作はクライブカッスラーだが、彼の作品は一度も読んだことがない。
本屋で結構目に留まるのだけどもね。
ドタバタ物なので、特に批評することもない映画だと思うが、
楽しいことは確かである。
鋼鉄船の大砲。きっと最後に使われるに違いないと思ったとおり使われる。
途中に出てくるクラシックカー。きっと使われるに違いないと思ったとおり使われる。
途中で見つけた壊れた飛行機。これは使われることはないと思ったら、
ウインドサーフィンに使われた。グッドアイデア。
男二人の楽しい会話での珍道中。
ドタバタ物の王道を行っていましたね。
☆2つ半
ミリオンダラー・ベイビー [Movie]
ミリオンダラー・ベイビーを見た。
出演 クリントイーストウッド、モーガンフリーマン。監督 クリントイーストウッド。
ハッピーな映画だと思っていたら、悲しい映画でした。
昨日はどーんと落ち込んでしまったな。
でも年老いたクリントイーストウッドだから、この題材に取り組めたのだと思う。
年を取ってますます監督業に磨きがかかっているクリントイーストウッド。
年とってからのほうがセリフも多くなってきているようだ。
”許されざる者”でのアカデミー賞は、クリントファンの私でもあまり納得いかないが、
こちらは与えてもおかしくない。
誤解を与えるといけないので書いておくが、ラストがこれでいいかどうかということでなく、
誰もが真剣にこの問題を議論するべきだ、という問題提議した作品として
評価されるべきであるからだ。
過激なキリスト教信者の多いアメリカで、この映画がアカデミー作品賞ということも凄い。
☆の数は、カメラワークがあまり気に入らないので、下げました。
光と影の使い方は抜群ですが、私にはシーンの間が少し長かったり、気になることがあったので、
もう少し自然に撮ってもよかったんでは? イーストウッド様。
結構年いってるので、あまり映画に出れなくなってくると思うが、
スティーブマックィーンの遺作”ハンター”のように、
これぞイーストウッドっていえそうな映画もお願いしたい。
☆3つ半
バタフライ・エフェクト [Movie]
バタフライ・エフェクトを見た。
愛する者たちを救うために何度でも過去に戻る。
アイデアとストーリー勝負の久々に作り手の意思を強烈に感じた映画だった。
TVシリーズの”Tru Calling”もいいけど、ラストは結局ここに行き着くという感じで
私は好きです。この映画。
本来ならもっとハッピーな終わり方のほうが万人受けすると思うが、
私はこのエンディングでよかったと思う。
一生懸命やっても叶えられない人生。
ただ、その中でも最善の方法を探し、せいいっぱい頑張る。
人生はそんなものだと思う。頑張るということが大事なのだ。
エンディングの曲はオアシスの”ストップ・クライング・ユア・ハート・アウト”
エンディングにぴったり。やられたよ。
☆3つ半
キングダム・オブ・ヘブン [Movie]
キングダム・オブ・ヘブン を見た
オーランドブルーム、リーアムニーソン出演、リドリースコット監督
お金かかってます、この映画。 興行的にどうだったのか心配になるほどに。
12世紀、エルサレム攻防戦の話。
どこまで史実かどうか私にはわからないが、この手の話を作る場合、
リドリースコットのメッセージは、ブレードランナーの頃から一貫していると思う。
何が善で、何が悪か。
宗教や権力に物怖じせず、主人公は自分の信じるがままに突き進む。
強靭な精神力。私には真似できない。
だからリドリースコットのファンは多いのだろうか?
ロードオブザリングのエルフ役だったオーランドブルーム、
主役をはれるようになったんだねー。
ただ、今回の作品、どこかピリっとしないと思うのは、
彼の影が薄いと感じた私だけだろうか?
演技が淡々としすぎて感情移入できないんだよね。
戦闘に参加せず、キプロスに去るティベリアス。
史実の人物かどうかわからないが、聖ヨハネ騎士団のその後を暗示させる。
余談になるが、聖ヨハネ騎士団の話は、塩野七生のロードス島攻防記がおもしろい。
☆3つ