ハンニバル・ライジング [Book]
ハンニバル・ライジング トマス・ハリス著
ハンニバル・レクターの少年期~青年期の物語
第2次大戦中に家族を殺され、特に妹への思いから復讐を誓うことになる。
最初の殺人から首を切り落とすぞっとする行動を起こす。
それは、日本の戦国絵巻を見る描写が伏線として語られているが、
ちょっと無理があるようにも感じる。日本文化を持ち出さずにハンニバルを
怪物化できなかったのであろうか?
海外の小説や映画で、日本文化が良い方向で語られることが少ないのは
気のせいだろうか?
二人目の殺人で相手の頬肉を串焼きにして食べるが、
妹を本当に愛していたのなら、そのような行動に走るだろうか?
頬肉を食べた伏線は魚は頬がうまいという描写で語られている。
ヨーロッパにおいて、あの第2次大戦は、相当人々の心を破壊してしまった
ことは理解できるが、少年の心は破壊された、というよりは
生まれ変わってしまったようである。
本書は復讐を成し遂げるところまで語られ、その後無差別に理由もなく殺人を
犯すようになった経緯までは語られない。
また、他者に対する性格もどちらかといえば素直なほうで、それが何故その後の
物語の性格に変わっていったのかは不明なままである。
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